Backbeat/Earl Palmer(ace CDCHD719/P-Vine PCD-861 )
![]() ニューオリンズのロックンロール・ドラム名手、アール・パーマーの作品集。アール・パーマーのドラミングのみでなく、50年代R&Rコンピとしても楽しめる。 リトル・リチャードなどのR&Rドラムで有名だが、3曲目『メロウ・サクスフォン』(ネヴィルズの末っ子シリルが自身のソロアルバム『ニューオリンズ・クッキン』でカバーしている)のようなラテン風味のプレイも秀逸。本来シンプルなフレーズで『ゴツン』とした固まりのノリを作るドラマーだが(フェスのアトランティック録音でも同様)こういうグルーヴィーなドラミングを聴くと、なかなか器用な職人ドラマーだったんだなぁと思う。 13曲目のドラミングも個人的には好きだし、16曲目のスネアの音なんて、なかなか出せる人はいない。これぞ、バック・ビートの嵐。どんな縦ノリのバカバカ・ロックンロールも、この人のドラムだと何故か説得力がある。 <> しかし、19曲目のドラムソロで思わず笑いが込み上げてくるのは私だけかな?27『ラ・バンバ』でドラム叩いてるのがアール・パーマーだったとは、このアルバムで初めて知りました。 |
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Zigaboo.com/Zigaboo Modeliste(JZM2001)
![]() 最初にこのアルバムを聴いた時『あぁ、ジガブーは死んだ・・・』と絶望を感じ、二度と聴く事はないと思って封印していたのだが、久々に出して来て聴いてみたら若干考えが変わった。まぁ、つまらないアルバムであることには変わりないのだが。 4曲目などドラム・フレーズはジガブー色一色なのだが、かっちりしすぎで全然面白くない。1曲目の打ち込みドラムにもめまいを感じたが、実際にジガブーが叩いているリズムも打込みと大差ない。ジャケ写のジガブーが上品なオジサマになっているけれど、まさかドラミングまで上品なオジサマになっているとは。あぁ、天才ジガブーも、並みのドラマーに成り下がってしまった・・・。 4、8曲目はジョージ・ポーターJr.が参加していてミーターズのカリスマ・リズム隊再現・・・となるはずが、ジョージ・ポーター弾き過ぎで最低。あの地を這うようなベースはどこへ?不思議なことに、ジョージ・ポーター以外のベーシストの演奏のほうが、ミーターズ時代のジョージ・ポーターっぽいのだ。 曲はつまらんし、サウンドも軽い。歌にも面白みがない。 その中では、6、7、8のドラムはまだ聴ける。しかし、音色はジガブーの音だし、フレーズも昔とあまり変わり無いこと演ってるのに、昔と違って全く迫力がないのは何故だろう?あんなにワクワクさせられるフォンキーなリズムを叩き出す人だったのに・・・。 唯一、8曲目はまあまあで歌も雰囲気がある。ホーンアレンジが単純なのが残念だが、このドラムなら腹も立たない。もしこの曲が1曲目だったら・・・と考えると、CD割ってやる!とまで怒り狂わなくてすんだかもしれない。でもミーターズ時代を知ってる人には、慰めにもならないかなぁ。 ちなみに、ジョージ・ポーターのソロCDもレオ・ノセンテリのソロCDも、負けず劣らずひどい。 |
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30 years .. And Still wild!/Bo Dollis & The Wild Magnolias(AIM 5012 CD)
![]() 新録6曲を含むマグノリアスの新譜。特に面白みのない新録はともかく、70年代初期の録音はどれも期待以上のレアなオススメ盤だ。 1、2、4でフィーチャーされているドナルド・ハリスンJr.はマルディグラインディアン・トライブ"The Guardians of the Flame"の現ビッグチーフで、今回はサックスで参加。4曲目には彼の父で前ビッグチーフのドナルド・ハリスンSr.(98年に他界した)も共に参加。個人的には、この亡くなったパパのチャントが好きだ。ビッグチーフ交代で若返った当トライブはヤング・ガーディアン・オブ・ザ・フレイムの名前では単独のCDも出しているが、世代交代を経てヒップホップを取り入れた今風の音作りをしている。 更に1、2、3、5でコンガを叩いているスマイリー・リックスは、こちらもトライブ"The Indians Of The Nation" のビッグチーフで、Dr.ジョンのところのパーカッショニストとしても有名。このインディアン・オブ・ザ・ネイションも単独CDを出している。 6曲目はホワイト・イーグルスのプラクティスをフィーチャーしているのだが、ホワイト・イーグルスの録音を聴くのは私はこれが初めて。プロデューサーのクイント・デイヴィスが、2人のビッグチーフ(ボと故ジェイク・マイロン)を引き合わせた録音ということだろう。これもかなりレア。 7曲目は1970年チューレーン大学のジャズフェスティバルでのライブ録音で、ここで初めてウィリー・ティーのゲイターズとマグノリアスが出会ったことになる。ここでの仕掛人も同じくクイント・デイヴィス。ゲイターズの演奏はともかく、ここでのボ・ドリスのチャントは素晴らしい。最近のこなれた歌とは全く異なり、プリミティヴな黒く濃いグルーブがフォンキーだ。ここのところ食傷ぎみだったが、つい惚れ直してしまった!このライブを経て、8、9曲目のクレセントシティ録音『ハンダワンダ』が産声をあげる。 その8曲目はパーカッションのリハーサル。9曲目が、レッスン1の参考資料オムニバスCD『Mardi Gras In New Orleans』収録の『ハンダワンダ』。ドラムはジガブー、ベースはジョージ・フレンチだ。 10、11曲目は72年(資料によっては73年録音)のバークレイ・ポリドール1stアルバム『ワイルド・マグノリアス』セッション。 残りはいずれもニューオリンズ・プロジェクトと題された録音だが、ここではなんといっても12曲目のセインツを注意深く聴いていただきたい。レッスンのところで著述した通り、なんとプロフェッサー・ロングヘアーがピアノで参加しているのだ!もう、これには文字どおりひっくり返る程驚いた!ライナーにはそれらしい事が書いてあったけど、『まさか、そんなことはあるまい。私はそんな言葉には引っ掛からんぞ』と余裕で聴きはじめたところ・・・曲の始まりは73年の1stアルバム『ワイルド・マグノリアス』収録曲と同じ音。『ほらほら、やっぱり(得意げ)』・・・ん?ピアノが入ってる・・・へ?・・・ちょっとフェスの音に似てるなぁ・・・いやいや、そんなことはあるまい。ウィリー・ティーがフェスのスタイルを真似て演奏して、クイント・デイヴィスがフェス風の音づくりをしたんだろう・・・あれ、この左手・・・ん?い、いや・・・まさか・・・・・・も、も、もしかして・・・こ、こ、これは・・・フェ、フェスだぁぁぁぁーーーーー!!シンプルな右手のリフに、微妙な位置に落ちる独特の左のベース・フレーズ・・・間違いない。フェスのピアノだ。しかし、そんなことが本当にあり得るだろうか。フェスが他人のレコーディングに参加するだなんて。聴いたところ、ミキシングの段階で音を加えたっぽいのだが・・・。 これが録音されたのは72年。72年と言えば、フェスがクイントのプロデュースでアルバム『Houseparty New Orleans Style』『Mardi Gras In Baton Rouge』の音源となるメンフィス・セッションを行った年だ。 ジャズフェスの仕掛人でもあり、フェスやスヌークスを第一線に引っ張り出したり、マルディグラ・インディアンをファンク・ミュージックと結び付けたり・・・このクイント・デイヴィスという男は、かなりのやり手だと改めて感服。 ちなみに、この『セインツ』は言わずと知れた有名曲『聖者の行進』で8分を超す。これだけ長いならフェスにも少しはソロをまわすだろうと思って聴いていたが、最後の最後まで淡々とリフを繰り返すだけだった。しかしその存在感たるや・・・。全面に出ていない分、曲の土台を担う良い演奏だが、私にはどうしても納得できない。もっと、良い使い方があったはず・・・んーー、なんでだ?演奏自体は悪くないんだが、何かが足りない。ということで、曲の出来自体はそれ程良くもない。 15曲目は『バイバイ・ベイビー』。ということは、フェスのカバーか?とも思ったが、実際に聴いてみるとフェスの『ヘイ・ナウ・ベイビー』の改作と言われるミーターズの『キャベッジ・アリー』に近い。 話は変わるが、このアルバム、『ガーディアン・オブ・ザ・フレイム』『インディアン・オブ.ザ・ネイション』『ホワイト・イーグルス』等、他のトライブの名前は出れど、これまでずっと一緒にやってきたゴールデン・イーグルスについてはほとんど触れられていない。ライナーに少しモンクさんの名前が出てるだけだ。ケンカ別れしたっていうのは、本当なんだろうなぁ。モンクさんのチャント好きの私としては、少し残念だ。 Check it!! ![]() ロックンロールピアニスト銀さんから、このアルバムに収録されている『Saints』に ついての考察をご協力いただきました。 ちょっと聴いたところ、フェスのピアノは同じフレーズを繰り返しているかのように 感じ、フェスが演奏したフレーズをサンプリング的に使用しているのだと思って いたのだが、銀さんによるとこのフレーズは全部で3パターンあるらしい。 ![]() 以上の3つのフレーズ、基本的には最初のフレーズが繰り返されているが、 2番目と3番目のフレーズパターンが各4回づつ、不規則に挿入されているらしい。 つまり、同じフレーズをサンプリングしているのではなく、8分間演奏し続けていたという のだ。 ま、それがどうしたと言われればそれまでなのだが(笑)。 銀さん、面白い考察をありがとう! |