Lesson9(Queen Mary)
1975年3月24日、豪華客船クィーン・メアリー号にて Linda:ロングヘアーさん、はじめまして。リンダ・マッカートニーです。これから、ジャケット用の写真を撮影しますので、よろしくお願いします。 Fess:はぁ、よろしくよろしく。 ワッペンだらけのGジャン
Fess:・・・えっ、下はエエんかいな。はよ言わんかい。 Linda:(お、お、驚いたわ・・・)えーっと・・・・では、この帽子をかぶっていただいて・・・・はい、次にこの指輪をはめて下さい。 Fess:おっ、この指輪、金かいな? Linda:はい。ゴールド製です。 Fess:ねぇちゃん悪いけどなぁ、撮影終わったらこれくれへんか?溶かして金歯にしたいんやけど。 Linda:・・・・は、はい。結構ですよ。お使い下さい。 Fess:いやぁ、すまんな。ねぇちゃん、エエ子やね。 Linda:・・・・あ、ありがとうございます。あの、そろそろ撮影の方に移らせていただきますので、そちらに掛けていただけますか?・・・・・あ、ロングヘアーさん!駆けるんじゃないんですよ!イスに腰掛けて下さい!!そんなところ走りまわられても・・・・(おろおろ)。 Fess:えっ!座るんかいな。はよ言わんかい。 Linda:・・・・は、はい。(ど、どう対応したらいいのかしら・・・)えーっと、こちらを向いていただけますか?・・・・はい、結構です(カシャ)・・・・・少し笑っていただけますか・・・・あ、そんなにニカッとしなくても結構ですよ(カシャ)・・・・・では、頬杖をついてこっちを向いて下さい・・・・ Fess:ねぇちゃん、なんか芸せんでエエんか? ケンケンの物真似中
Fess:そんな、遠慮せんでエエがな。わしなぁ、ケンケンの物真似ができるんやで。やったろか?シシシシシシ・・・・・ Linda:・・・・・は、はい(カシャ)。これで撮影は終了いたしましたので、あちらのパーティー会場でごゆっくりお食事なさって下さい。 Fess:おっ、もう終わりか?ほな、ねぇちゃんも一緒に飲みにいこか。ミーターズのやつら、ガンガン飲んどったで。あいつら、この後のステージ大丈夫かいな。 Linda:ロングヘアーさんも遠慮なく、たくさん飲んで下さいね。 Fess:おぅ、すまんな。あれやろ、わしらの前座でレッツゴー3匹が出るんやろ? Linda:はっ?レッツゴー3匹? Fess:ねぇちゃん、知らんのかいな。「じゅんで〜す!ちょうさくで〜す!」っちゅうやつやがな。 Linda:あぁ、「三波春男でございます」っていうやつですね? Fess:おっ、ねぇちゃん知っとぉがな。 Linda:いえ、でも、そのような方の出演は予定しておりませんが・・・・。 レッツゴー長作 Linda:いえ、そんなはずは・・・・あっ・・・・ Lesson9 さて、レッスン7でも少し触れていますが、プロフェッサー・ロングヘアーの作品はハズレがないことで有名です。フェス自身の演奏にあまりムラが無く、音楽性も一貫しているという事がその理由ですが、そこに付くバンドよってサウンドには変化があります。今回は、ミーターズがバックを務めるライブ・アルバム『Live On The Queen Mary』を教材として聴いてみましょう。
今回の教材『Live On Queen Mary』
では、レッスンに入りましょう。 今回の教材となるアルバム『Live On The Queen Mary』は、1975年3月24日、ポール・マッカートニーの誕生日パーティーを客船クィーン・メアリー号の船上で行った際のライブ録音で、フェスのバックはミーターズのメンバーが務めています。(本文にあるように、このアルバムのジャケット写真を撮影したのはポール・マッカートニーの妻、リンダ・マッカートニーです)
ミーターズを聴かずしてFUNKは語れない。
では、アルバム『Live On The Queen Mary』を聴いていきましょう。 さあ、どうでしょう?
本文にあったように、ミーターズのメンバーは酔っぱらっているのではないでしょうか?
これを聴いていただいただけで、アンサンブルの重要性がお分かりいただけたと思います。 ではここで、プロフェッサー・ロングヘアーが演奏するピアノという楽器を、アンサンブルという観点から他の楽器と比較してみましょう。 まずギターですが、通常6弦ですので同時に出すことができる音は最大で6つ。それぞれの音が別々のリズム(ここでは、メロディ・フレーズをリズムとして捉えます)を刻むことができると仮定すると、人間の片手の指は通常5本なので、同時に演奏できるリズムの数は最大5つ(仮に弦をすべてオープンで、両手を使って演奏したとしても、弦の数が6弦なので最大でも6つ)です。 同様にベースについて考えてみても、弦の数だけみれば前者も後者も最大4つ。 ただ、楽器の特性上このような使い方はしないので、前者は複数としても後者はひとつ(同時に叩き出すリズムは1種類)としてもよいかと思います。 次にドラムです。この楽器の場合、セットが大きくなればなるほど音の種類は多くなりそうですが、実際は人間の手足の数は通常2本づつですので、同時に出すことができる音は最大4つ(例えば、バスドラのペダルを二股にして一度のキックで複数の音を出そうとすれば出来ないことはありませんが・・・)。同様に、同時に演奏できるリズムの数も最大で4つです。パーカッション楽器についても同様、多種類の楽器を組み合わせても腕は通常2本ですので、前者後者とも最大2つです。 ホーンに関しては、1本の楽器なら前者・後者ともに1つの完全単音楽器と捉えますし、ボーカルに関しても、モンゴルのホーミー(同時に2つの声を出す唱法)のような特殊な唱法を除いてはこちらも完全単音でしょう。 さて、ピアノはどうでしょうか。人間の指は通常片手に5本づつですので、同時に出すことができる音は最大10個、リズムも10個です。他の楽器に比べて、圧倒的にアンサンブル性が高い楽器であると言えます。 ただ、そんなことを言っても、10本の指でそれぞれ異なるリズムを叩き出すことなど不可能のように感じられますが、フェスのピアノを聴いていると10種類とは言わないまでも、かなり複雑なポリリズム(複合リズム)が演奏されていることに気付くでしょう。また、音の組み合わせに寄って複雑なコードも使用できます。ピアノという楽器は、メロディー楽器とリズム楽器の特性を合わせ持つともいえるでしょう。プロフェッサー・ロングヘアーのピアノが、それ単体で聴いても十分に楽しめる理由は、このようなピアノという楽器の持つ特性が関係しているのかもしれません。楽器単体、またはバンドにおいても、アンサンブルの重要性がお分かりいただけたと思います。 もちろん、他の楽器においても、それぞれの特性に合わせた奏法によって各楽器の魅力を最大限に引き出すことができます。
マディ、またまた笑える髪型で登場
職人、ジョージ・ポーターJr.
ドラム・パーカッションは、様々な音が出せる楽器をセッティングできることから、ピアノとは異なる多彩なアンサンブルが造り出せるリズム楽器です。他の楽器と違って手足両方を使って音を出すことができるので、非常にパワフルな音から繊細な音まで駆使することができます。 ホーン・ボーカル・ハープ等のメロディ楽器はその音自体が最大の魅力であり、演奏力よりもむしろ表現力によって個性を発揮します。弦楽器同様、微妙な音程での表現も魅力のひとつです。
これもひどい『Meters Live On Queen Mary』
さて皆さん、レッスン8の最後にある抜き打ちテストは解答していただきましたか? 特に、レッスンの内容とは関係有りませんが、お答えいただいた方の得点順位をこちらで発表しています。 未解答の方は、最高得点を目指してチャレンジしてみてください。
それからもうひとつ、宿題を出しておきます。
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