3.Big Chief(Rhino/Tomato R2 71446)
1.Big Chief 2.Hey Little Girl 3.How Long Has That Train Been Gone 4.I'm Movin' On 5.Mess Around 6.Medley:She Walks Right In/ Shake,Rattle & Roll/ Sick And Tired 7.Tipitina 8.Little Blues 9.Her Mind Is Gone 10.Stagger Lee 11.I've Got My Mojo Working 12.Rum & Coca-Cola 13.Mardi Gras In New Orleans 14.Doin' It
Produced by:Albert Goldman & Tom Sullivan
このアルバムと『4.Rum And Coke』は78年ティピティーナでのライブで、上記アルバム『1.The Last Mardi Gras』と同音源。2日間のライブから未発表音源も含めて選曲しなおしたものらしいが、音もかなり触ってあって、同音源だったとは全然気付かなかった。
『1.The Last Mardi Gras』のキラキラしたピアノ音とは異なり膨らみがある落ち着いた音で、デジタル・リマスターされているせいもあって聴きやすい。その分、臨場感には欠けるがバンドのバランスが良く、『1.The Last Mardi Gras』では前に出ていたギターを引っ込めてホーンを強調してあったり(新しくホーンを撮り直してるかも?)、観客の歓声を極端にカットしたりと、スタジオ録音にも近い奥行きのある音に仕上がっている。これだけ違えば『1.The Last Mardi Gras』とは全く違う楽しみ方ができると思うので、是非両方聴いてほしい。
8の「リトル・ブルース」など珍しいインスト・ブルース曲で1分半の小作品だが(おそらく適当にその場で演ってみたのだろう)、ピアノの最低音で刻む左手が50年代のフェス・ピアノを彷佛させてジンとくる。12の「ラム&コカ・コーラ」は、最初左右の絡みに違和感を覚えたが、よく聴くとかなり複雑な錯覚ポリリズムになっていて、そのポリリズム的アプローチもどんどん展開をみせる。アルバム『クロウフィッシュ・フィエスタ』収録の、非常に出来がいいバージョンに並ぶ名演だと思うのだが、どうだろう。ライブでこんな小技を効かせるあたり、さすがフェス。
ちなみに、『1.The Last Mardi Gras』と聴き比べてみたところ、1「ビッグチーフ」や5「メス・アラウンド」は明らかに異なった演奏なので別の日の音だろう。12の「ドゥーイン・イット」は、曲自体「ドゥーイン・イット」ではない。